Note

2020.07.29

もうすぐ、梅雨明け。なくなってしまった春の牛窓クラフト散歩の時間も、気づけば、ハルカさん、末籐さん、LUCAが埋めてくれていた。名古屋にいても、その場所を思い出したいと願い作った白い本と、ちょうど一年前にハルカさんとLUCAが作ってくれた風の歌。そして、今年「物語の続きを」という新しい指針ができた。世の中がどんなに変わったように見えても、ずっと変わらずに残ってきた物語をきちんと見つめ直し、次の世代に託せるようにしていきたい。

 
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2020.04.22

 

ひとりひとりの微光

日本の「日」とは、太陽を意味する言葉だ。
「日」とはまた同時に、太陽のひと巡りする時間、
一日一日という時間の単位も意味している。
私たちの文化は、光の移ろうがゆえの陰影を愛し、
過ぎゆく時間を旅人の後姿のように惜しんだ。

私たちはたとえ百年を生きる幸運に恵まれようと、
また明日に絶えるいのちであろうと、
今日という一日以外、任意の時間に存在はできない。
あるいはまた、人口の翼でどんなに駆け巡ろうと、
この世界のたった一つの場所にしか存在できない。

この不確実と不自由、局所と限定のゆえに、
存在とは愛おしいものだと思える。
ただ日々に住む。
日本でクリエイティブな仕事をするひとびとが、
何のコマーシャルな意図もなく参加して、
この紙面に「日々の営み」を宿そうとしている。
永遠ではなく日々を、普遍ではなく個を。

いま世界は、均一で単一な世界であろうと
し過ぎていないだろうか。
私たちひとりひとりの放つこのわずかな光は、
世界のどこまで届くだろうか。

(hinism 巻頭より)

 
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2020.03.04

白い月。ハルカさんの制作の隣で、僕も制作をしている日々。新しいピアノソロアルバム「スティルライフ」は入稿を迎え、印刷の立会いを終えれば、あとは職人さんたちの手に渡り、僕の手から離れていく。新年を迎えてから、毎日やりとりしながら、今日ハルカさんも、きっと一つの仕事を終えた。日々のデッサンを描き終え、ようやく仕上がった作品は、白い月のような音だった。電車の車窓や子供を迎えにいく途中、不意に空を見上げると、そこにある光景。日常に中にいつもも、そこにあるが顔をあげて、はじめて感じとることのできる光だ。今、この時、この瞬間の感動を、また10年先も同じ感じていたい。

 
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2020.01.07

去年は、1つの事にできるかぎり時間をつかった。それは、本当に尊いものとなり、過去を振り返っても、僕にはとても大きな大きな制作だった。「白の本」と名付けた本は、300人にしか届けることができない。でも、きっとそれで良いのだと今も思う。通販もしない、この本の受け渡し方を今の時代だからこそ、受け取ってきれた人には、少しでも感じてもらえたらと思う。牛窓は、今年もまた僕をよんでくれている。あの灯台を、あと何回みれるだろうか。「牛窓の図書館に収蔵します。」と言ってくれた市役所の職員さんと交わした年の瀬の会話が、とても嬉かった。

https://www.ushimado.jp/

 
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2019.07.23

ハルカさんと一緒に過ごした時間を一つの本として、その場所に置いていこうと思う。これは、僕らの中の記憶である。旅をしていると畦道の途中に、石碑があり、そこに詩がある。誰が残したかわからない詩を前にすると、風景と共に、その場所がそこで暮らす人々によって紡いできた時間によってできてきたのだと感じる。現代を生きる僕らは、次の時代に対して何が残せるか、いつも考え生きている。今、この瞬間に分類するのではなく、未分化した状態で残し、時間と共に純化していく過程を僕自身も楽しみたいと思う。

 
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2019.06.12

日本の料亭の凄さを感じている。総合芸術である。米作りからはじまった仕事はいつのまにか、いくつもの扉を開けていく。伝統というキーワードに直面する機会が増えていくが、それはまさに人と人が互いに仕事積み重ねてきた時間であり、一つの料亭を取り巻く環境は、一つの舞台であるように思う。積層された時間を、今この時に感じ取ることのできる場所であり、時には、何年も自分の山で育てたで野菜を託され、時には家族代々培ってきた和紙の技術を込めた一枚の和紙を譲っていただく。その連続が、日々の料亭という舞台で行われていると思うと、自分に何ができるのか、とても考えてしまう。目の前にある小さなものでさえも、改めて目をこらしてみると、また違った表情が見えてくる日々の中にいる。

 
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2018.08.22

少しづつ秋の気配が漂うってくると、今年もあと数ヶ月か、、、と思ってしまう。冬から準備してきたことたちが、もうすぐ本番を迎える。たくさんのことを成し遂げたいとは思わないが、熱く燃え上がるような感動は、いつだって誰かと共有したい。先日の京都の夕景は、ほんとうに美しかった。好きなひとたちと秋に一晩だけ、特別な夜を準備しようと思う。

 
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2018.03.16

4月から新しいプロジェクトが少しづつ進んでいます。市内にアトリエをつくって自分の好きな人、応援したい人のものを少しづつ紹介していきます。休日民藝というなんともいえない名前の由来ですが、今の僕らにはぴったり。
https://www.holk.jp/

 
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2018.03.01

淡い記憶。
−FOLKLORE ; haruka nakamura に寄せて
 
「今日、この日、この瞬間にしかない音楽を」 彼はよくそう話して演奏をはじめる。柔らかくて温かい、そしてどこか懐かしい音楽の時間は、断片が散りばめられた淡い記憶を探るような体験をさせてくれる。ぼくらは、スタジオに眠っていた50年前のピアノのことを思い出し、最初の演奏を彼にお願いしたいと思った。彼の好きな橙色の炎を添えて、空間は音楽と橙色の光のなかでゆっくり溶けていく。誰もがもっている淡い記憶。その扉を少しだけ開けてみたいと思う。

https://www.awaikioku.jp

 
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2018.01.26

今年もたくさんやりたいことがある。でも、一人で実現できることはなく、どのプロジェクトもいろんな人に助けてもらいながら、少しづつ進んでいく。予算も気にせず、好き勝手にできてしまうことほど、責任感がなく、生まれた後のことまで想像が続いていかない。時には大きく、時にはとても細かなことを目を凝らして見つめ続けていくことしかないと思う。途中で手を離してしまうのであれば、一緒に関わる人にそれも分かったうえで進めていくべきである。世の中にある無数の仕事は、誰かが倒れても誰かが補って成り立つようになっているけど、ぼくのやりたいことは、誰一人欠けてもできないことばかりだ。だったら、外の人から全く見えないけど、みんなの足元を支える役割を率先して担っていきたい。いつだって、誰かのエンジンになってあげられるように日々の時間を使っていけることほど幸せなことはない。

 
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2017.12.31

ふりかえると、大切な人たちが増え、その人たちと今年はたくさんの話をしたように感じる。自分なりの社会を生きていると思っている。流行り廃りの時間とは程遠い、人が重なりあったとても熱いところに感じる。人と人が連鎖していくと自分の想像を超えていき、着地した先は水平線の美しい海辺のような場所でもある気がする。新しいことも大切だけれども、もっともっと近くにある熱いことを真剣にまた向き合ってみたい。1年の締めくくりの仕事に haruka nakamura さんと一緒できて、また来年の冬にharukaさんからもらった時間を振り返れると思うと、来年もまた楽しみでしかたない。

https://www.harukanakamura.com

 
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2017.12.19

「一緒に音楽になってもらえると」そう言って演奏ははじまった。とても美しく、今まで感じたことのないような高揚感の時間にただただ感動していた。それは個々が重なり、一つになった結晶に圧倒され、改めて人と人で作り上げることの素晴らしさを教えてもらったようだった。感じる熱量は凄まじく熱く、美しさ以上に赤裸々なPUNKの演奏を聴いているようだ。「今日、この日、この瞬間にしかない音楽を。」僕も、彼にできる最高の仕事を届けたい。年の瀬に、また心が開いた時間だった。(京都文化博物館「12月のカーテンコールIII」京都公演)

 
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2017.11.16

COMMONOreproductsさんでの最後の展覧会は、12月のCAFE CAFE MARKETさん。昨年の強烈な印象が色褪せないまま、あっという間に1年経ったのだと思うと、今年のいろんなことも同時に思い出します。山本さんや水谷さんとの冒険は続いていくので、あまり最後の感じがないのですが、好きなブランドが節目を迎え、次のステージに進んでいくことをしっかりと記憶したいと思います。今回は、栗原さんの古着やCOMMONOreproductsさんの別注もあるみたいで、最後まで楽しませてくれる姿勢にまた学びの多い時間になると思います。

http://home.commonoreproducts.com/news/

 
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2017.10.16

大台町のプロジェクトは、去年から少しづつ行っていて、今回の展示会の新作として用意した黒の杉材ブロックやヒメシャラのブックエンドなどは、去年水谷さんの手紙の一文からヒントを得て作成しました。テーマは「田舎までパンを買いに」。そのフレーズをそのままブランド名にしたかったぐらい、はっとする言葉だった。僕は普段、いろんな人のために制作を行っているけど、自然が作り出す造形は生み出せない。夕暮れの空をみながら、いつもこのグラデーションはデータでは作れないと毎回思うのです。だったら、木製品も凝ったデザインをするよりもできる限り少ない工程で製品としての機能をもたせれないかと考えてできたのが、今回のコレクションです。大台町は、少しアクセスは悪いけど、とても豊かな土地です。なかなか現地にいかないと、その豊かさは感じることができないけど製品を通じて、野ざらしの時間がくれるデザインも感じて欲しいと思ってます。11月に、また会いましょう。

https://odai.studio

 

2017.10.15

三重県大台町の森林組合と一緒につくっているブランド「Odai」の展覧会を11月から名古屋、松阪、東京で開催します。大台町は日本一の清流「宮川」が流れ、原生に近い自然が残る日本三大渓谷「大杉谷」があります。「Odai」は、わたしたちが日々の暮らしで感じている「自然」をかたちにしたものです。プロダクトを通じて、少しでも日々の暮らしが豊かになり、大台町の自然の豊かさを感じてもらえたらと願っています。
今回は、カルティベイトさんにご協力頂き、名古屋では1日限定でレストランを。松阪では、カルティベイトさんの会場でコンセプト映像の音楽を制作していただいたharuna nakamuraさんとのインスタレーションライブを行います。会期中は、新作の受注会やアロマなどの一部商品の販売も行います。ぜひ、いらしてください。

http://odai.studio

 

2017.09.18

TOKYO ART BOOK FAIR 2017 に出展します。僕らは、清水寺のinsightをはじめ、三度目の京都で制作したBOOKを販売します。今年は、天王洲アイルに会場を移して、国内外の出版社やギャラリーがとても多く集まるので他の出店者のブースも楽しみです。ぜひ、お立ち寄りください。

http://tokyoartbookfair.com/exhibitors/
(SECTION : A 株式会社 ディスカバリー号)

 
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2017.09.07

ARTS&SCIENCEのWEBサイトを公開しました。まさか、こんな日がくるとは 笑。いろんな無茶に全力で向き合ってくれた川田さんたちに感謝です。好きなブランドというより、出会ったころの20代の僕には完全に憧れのブランドでした。30代になってARTSのパンツを買った時にコモノの山本さんに「鈴木くんもそういう年齢になったんだよ」と言われた時に、憧れから自分ごとになった気がします。彼らにとって、何が足りていないかをみんなで考えて「机の引き出し」をテーマにしました。他と比べる必要はないのだけど、最近のサイトは写真ばっかり。分かりやすくて良いかもしれないけど、分かってしまうスピードの分だけ消費のスピードも速いのだと思います。目にみえる事以上に作っている人を愛して買い物を楽しんでいくべきだと改めて思います。ARTSさんのサイトは最初みても、文字ばっかり。でも一つ一つのコンテンツの引き出しには、彼らが情熱を持って取り組み、作り上げてきた結晶がたくさん入っています。WEBサイトの記事がたまっていき、いつか大きな本棚のようになっていけたらと夢見てます。

須藤さん、エンヤさん、いつも有難う。

 
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2017.08.13

清水寺の日本語サイトのリニューアルとFEEL KIYOMIZUDERA vol.5が発刊されました。プロジェクト開始から5年を超え、本堂の茅葺き屋根もいよいよ数年間かけて改修工事となります。タブロイドのテーマは「積層する時間」としました。取材のために、工事中の本堂の屋根に上らせてもらうと、茅葺き屋根の断面はまさに地層のように美しい時間を刻んでました。50年という時間が、そこには確かにあり、そして僕らも50年後に何を残していくべきか強く考えた時間でした。大きなことはできませんが、未来のためにできることを少しづつ考えていけたらと思います。

 
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2017.04.03

free stitchさんが運営するメディア「 ONE DAY 」の写真集が届きました。僕ら家族を取材してもらったのが1年半ぐらい前。あっという間だったけど、子供ができたり、いろんな出会いがあったりと月日の短さを感じつつ、学びの多い時間でもありました。free stitchさんもそうだけど、ぼくの近くにあるブランドやお店、作家たちはやっぱりとても情熱的で刺激的である。そのたびに自分にできることの少なさを考えてしまうのだけど、やっぱり、どこまでいっても愛情がなければ、どんなことも続いていかないのだと思う。日々、たくさんの物事に触れてしまうけど、それらがどれだけカタチとして、記憶として残っていくかはわからない。だけど、ヒトの目が届いているものは、モノもマチも長生きしていくと思っている。本というカタチで残してくれた「 ONE DAY 」は、僕にとって一生忘れられない体験である。

http://www.one-day.jp/

 
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